Select工房

「広い家」より「広く感じる家」へ。スキップフロアで考える、これからの家づくり

2026.10.5 (月)

家の「広さ」って、床面積だけでしょうか?

家づくりを考えるとき、「できるだけ広いリビングがほしい」「もう少し床面積があったほうがいいかな」と考える方は多いと思います。でも、建築費や土地のこと、これからの暮らし方まで考えると、家を必要以上に大きくすることが、必ずしも正解とは限りません。

それなら、「広い家」をつくるのではなく、「広く感じる家」をつくれないだろうか。

そのひとつの方法が、今回ご紹介する「スキップフロア」です。

今回ご紹介するのは、スキップフロアを活かして、リビング・ダイニング・スタディコーナーを立体的につないだ住まいです。

この家で大切にしたのは、単純に広いLDKをつくることではありません。

床の高さを少しずつ変えながら、それぞれに居心地のよい場所をつくり、家全体を実際の面積以上に広く、そして楽しく感じられる空間にすること。

さらに、階段への動線には収納を組み合わせ、移動するためだけのスペースにも役割を持たせました。

2ステップ下げた、庭につながるリビング

大きな窓から庭のウッドデッキを望むリビングは、ダイニングから2ステップ下げて計画しました。

ほんの少し床の高さを変えるだけでも、ダイニングとひと続きの空間でありながら、リビングには自然と「くつろぐ場所」としての落ち着きが生まれます。

さらに、リビングに入ったときの視線は大きな窓から庭へ。

室内だけで視線が止まらず、ウッドデッキや庭、その先へと抜けていくため、実際の床面積以上の広がりを感じられます。

5ステップ上がると現れる、2畳のスタディコーナー

ダイニングから2階へ続く階段を5ステップ上がったところには、約2畳のスタディコーナーを設けました。

完全な個室にするのではなく、LDKとつながりながらも、少し高さを変えることで独立した居場所にしています。

仕事をしたり、本を読んだり、お子さんが勉強したり。

家族と同じ空間にいながら、少し離れた自分の場所として使うことができます。

そして、ここからLDKを見下ろすと、また違った景色が広がります。

3つの高さがつくる「実際より広く感じる」空間

この家には、2ステップ下がったリビング、ダイニング、5ステップ上がったスタディコーナーという3つの床レベルがあります。

壁で部屋を区切るのではなく、高低差によってそれぞれの場所をゆるやかに分けているため、空間そのものはつながったままです。

リビングからダイニングを見る。
ダイニングからスタディコーナーを見上げる。
スタディコーナーからLDKや庭を見渡す。

居場所が変わるたびに目線の高さと見える景色も変わります。

この縦方向への広がりと視線の抜けが、実際の面積以上に空間を大きく感じさせてくれます。

階段への動線に収納を組み込む

もうひとつ、この間取りで大切にしたのが階段と収納の関係です。

通常であれば「通る場所」になりやすい階段まわりですが、今回はスキップフロアによって生まれる高低差を利用し、動線の途中に収納を組み込みました。

オープン棚は、本や日常的に使うものを置く場所として。扉付きの収納には、表に出しておきたくないものをすっきりしまえます。

収納を単独で設けるのではなく、階段へ向かう動線そのものに収納の役割を持たせる。

限られたスペースをできるだけ無駄なく使うための工夫です。

階段を数段上がれば、小さなスタディコーナーがある。
リビングへ行けば、床が少し下がって庭へ視線が広がる。家の中を移動するたびに、目線の高さが変わり、見える景色も変わります。

「大きな家を建てたい」ではなく、「大きく感じられる、楽しい家にしたい」。

そんな家づくりを考えている方にこそ、スキップフロアという選択肢を知っていただけたらと思います。

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